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DR剤(配管摩擦抵抗低減剤)

年間ポンプ消費電力量を31%削減

 新日本空調(株)は、日比谷ダイビル(東京都千代田区内幸町1-2-2、延べ床面積29,961u)の空調配管系に配管摩擦抵抗低減剤(通称:DR剤…Drag Reduction Additive)を2001年の夏に投入し、通年の電力消費データを実測・分析した結果、年間ポンプ消費電力量31%の削減効果を確認しました。
 今後は、さらにフィールドデータを蓄積しながら、「空調配管系の設備診断」、「DR剤の投入とシステム調整」、「効果の分析評価」などの業務をリニューアル事業部と技術研究所が連携して展開していく予定です。

1.DR剤の効果測定に至る経緯
 DR剤の効果は、管内流動速度、温度、流路の形状などに大きく左右され、一方では熱交換器における熱交換特性の低下があることも知られています。しかし、複雑な配管流路において、ポンプやバルブの自動制御が行われる実際の建物配管系でのDR効果の実態は明確に把握されていませんでした。
  そこで、新日本空調(株)は、DR剤の実用化普及を目指し、DR効果のフィールドデータと導入のためのノウハウを蓄積するべく、大型オフィスビルや空調稼働率の高い工場を中心に、2000年から評価を行ってきました。
 その結果、初期投入DR剤と下記(1)〜(3)を踏まえた作業経費を合わせた初期費用は、延べ床面積約30,000u以上のオフィスビルでは、概ね5年以内で回収でき、大規模ビルほど経済性は有利であることが分かりました。(但し、工事範囲やシステム特性により経済性は大きく異なる可能性はあります。)

(1) 建物毎に空調配管システムの設計が異なるため、良好な省エネ効果が得られるかは、個々の配管設備に依存するので、効果の事前分析が必要。
(2) 実際の設備運用と制御システムの現状を踏まえ、良好なDR効果を引き出すために、投入前後の設備診断と制御システムの調整作業が重要。
(3) 投入配管の内面の腐食進行状況、DR剤の配管系内への投入量・投入速度・投入位置、あるいは水質などについて適正な判断が必要。
尚、水蓄熱システムに対しては、蓄熱水を含む保有水量に対するDR剤の投入費用が大き過ぎるため経済性が合わず、対象外と考えています。
2.DR剤の効果測定デ−タ
 新日本空調(株)が、2001年夏に日比谷ダイビル(東京都千代田区内幸町1-2-2、延べ床面積29,961u) の空調配管系に配管摩擦抵抗低減剤(DR剤)を投入し、通年の電力消費データを実測・分析した結果(下図参照)、年間ポンプ消費電力量31%の削減効果を確認できました。
3.今後の展開
 新日本空調(株)は、DR剤販売の代理店として剤を納めると共に、さらなるフィ−ルドデ−タを蓄積しながら、「空調配管系の設備診断」、「DR剤の投入とシステム調整」、「効果の分析評価」などの業務をリニュ−アル事業部と技術研究所が連携して展開していく予定です。
  尚、DR剤導入のためのノウハウは、既に変流量制御が導入されたシステムでも、更なる省エネ効果を期待できる数少ない省エネ・ツールとして普及を目指します。
用語解説
DR剤(Drag Reduction Additive):配管内の流動水は、配管内壁部と中心部の水分子が激しく入り乱れながら流れる、すなわち「乱流」状態(図1)にあり、配管摩擦抵抗の大部分は、この乱流運動に起因します。ここに、界面活性剤の一種(家庭用のリンスや柔軟剤などの基材に使用されている)であるDR剤を微量添加する事によって、この乱流を抑制して(図2)配管摩擦抵抗を大幅に低減し、ポンプ動力を削減する事ができます。
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