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PRESS RELEASE

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2014年08月07日

快適性と知的生産性を維持しながら省エネを実現する空調制御「アクティブスウィング®」を開発
~従来制御と比較して、7.5%のエネルギー消費量削減を実現~
 新日本空調株式会社(本社:東京都中央区:夏井 博史社長)は、株式会社東芝(本社:東京都港区:田中 久雄社長)と共同で、快適性と知的生産性を維持しながら省エネを実現する空調制御手法『アクティブスウィング®』(商標登録済)を開発しました。
 本制御は、冷房時において室内の絶対湿度を一定にした状態で、室内温度を上下にスウィングさせ、その平均温度を通常の温度一定制御より高く設定することにより、快適性と知的生産性を維持しつつ、省エネ運転を行う制御方法です。
 本開発は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の省エネルギー革新技術開発事業/実証研究(電力需給緊急対策)の助成を受けて行ったもので、快適性と知的生産性の評価については、早稲田大学 創造理工学部建築学科 田辺 新一研究室に委託して行い、従来の室内温湿度26℃ 50%RH一定と比較して、快適性と知的生産性を同等の状態を維持しながら7.5%のエネルギー消費量削減を実現しました。
 今後は、新築、既築のオフィスビルなどを対象に、『アクティブスウィング®』による空調制御の導入に向けて展開し、省エネ・節電に貢献してまいります。
1.開発に至る経緯
 東日本大震災(平成23年3月11日発生)直後、我が国は電力供給不足により緊急の節電対策が求められ、空調の設定温度を高くし、快適性の悪化や知的生産性の低下を伴う「がまん空調」を余儀なくされました。
 当社は、平成17~21年度に行った独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の 省エネルギー革新技術開発事業 NEDO研究委託プロジェクト「ノンフロン型省エネ冷凍空調システム開発 / 住宅用コンパクト再生方式省エネ型換気空調システムの開発」(受託者:新日本空調株式会社,再受託者:早稲田大学創造理工学部建築学科田辺新一研究室)において、室内温度をスウィングさせるアクティブスウィング運転の効果を実験室レベルで確認していました。そこで、平成23年度より、実際のオフィスに於けるアクティブスウィングによる空調制御の確立に向け、株式会社東芝と共同で、東京都港区芝浦1-1-1の浜松町ビルディング(東芝ビルディング)のオフィスにて開発に着手し、今般、実用化に向けた自社での取り組みが完了し、受注を開始する運びとなりました。
2.アクティブスウィング®』の概要
 夏季の冷房時において、室内の絶対湿度を一定に保ちながら室内温度を上下変化させる運転方法を『アクティブスウィング®』と呼びます。『アクティブスウィング®』は当社が有している登録商標です。
 室内温度がステップダウンする際に、在室者の温冷感がオーバーシュートし(実際の温度より低く感じる)、また相対湿度がステップダウンする際にも、温冷感に大きな影響を与えます。『アクティブスウィング®』は、この人体の現象を利用し、冷房時において、絶対湿度を一定にして室内温度をある周期で上下にスウィングさせ、その平均温度を通常の温度一定制御より高く設定することにより、快適性と知的生産性を維持しつつ、省エネを実現する制御です。
『アクティブスウィング®』の制御概要
『アクティブスウィング®』の制御概要

■室内温度上昇・下降時

『アクティブスウィング®』による温冷感
『アクティブスウィング®』による温冷感
3.『アクティブスウィング®』 の効果
 浜松町ビルディング(東芝ビルディング)のオフィスにて、室内温湿度一定制御:26℃/50%RHと、アクティブスウィング制御:25.5℃~28.5℃/46~54%を行い、在室者によるアンケート調査と送風機動力と熱量使用量を合わせたエネルギー消費量を実測した結果、アクティブスウィング制御は、室内温湿度一定制御と同等の快適性(温熱環境満足度)と知的生産性(温熱環境の仕事効率への影響度)でありながら、エネルギー消費量を7.5%削減できることを実証しました。

■快適性及び知的生産性について

快適性及び知的生産性について

・快適性(温熱環境満足度)

快適性(温熱環境満足度)

・知的生産性(温熱環境の仕事効率への影響度)

知的生産性(温熱環境の仕事効率への影響度)
 従来の室内温湿度一定制御と同程度の快適性と知的生産性が得られます。

■省エネルギー性について

省エネルギー性について
 就業時間帯のエネルギー消費量について、7.5%の削減効果を実現しました。
4.今後の展開
 『アクティブスウィング®』は、設備や建物の大幅な改修が不要で、空調設備の運転方法を変更するだけで、居住者の快適性や知的生産性を損なうことなく、空調用消費エネルギーの削減を図ることができることから、今後は、新築はもとより、既築のオフィスビルなどを対象に、アクティブスウィング制御機能を含む中央監視システムや空調機の制御プログラムの導入に向けて展開し、省エネ・節電に貢献してまいります。
5.本件に関する問い合わせ先
新日本空調株式会社 経営企画本部 企画部広報課 高辻 勇
TEL:03-3639-2332(ダイヤルイン)
FAX:03-3639-2734
E-mail: TAKATSUJII@snk.co.jp

新日本空調株式会社 技術本部 技術企画部 佐藤 秀幸
TEL:03-3639-2702
FAX:03-3639-2736
E-mail: SATOHH@snk.co.jp