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PRESS RELEASE

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2020年09月17日

可搬式抗菌フィルターユニットと自立型感染防止フードを開発

~ 「感染症患者診察時の飛沫感染防止システム」の展開 ~




新日本空調株式会社(代表取締役社長 夏井 博史)は、日進技研株式会社(代表取締役社長 中嶋貴輔 :東京都千代田区 )と共同で、新型コロナウイルス飛沫感染防止対策を目的に、 当社原子力事業部の汚染物封じ込め技術を応用した、ダクト接続型「可搬式抗菌フィルターユニット」と「自立型感染防止フード」を開発しました。更に、従来から取組む避難施設向け新型換気システムの開発構想に、抗菌フィルター利用による医療現場への適用性を加味し、感染拡大の要因の一つである飛沫感染を効率的に削減する、空気清浄技術を活用した新たなシステム「感染症患者診察時の飛沫感染防止システム」への展開を実現しました。このシステムは、医療現場を含むあらゆる施設での利用が可能であり、様々な用途への展開が期待されます。なお、本システムは、既に受注が確定し2020年中の納入に向けて詳細の調整と機器の製作中です。


1.経緯

巷で猛威を振るうコロナウイルスに対し、その対策が叫ばれる中、当社原子力事業部は、従来から取り組む避難施設向け新型換気システムの開発構想に、抗菌フィルター利用による医療現場への適用性を加味し、空気清浄により感染拡大の要因の一つである飛沫感染を効率的に削減する新たなシステムを開発しました。
新たなシステムは、いろいろな場面での適用ができる様、可搬式で小型の「フィルターユニット」と、患者との飛沫感染を低減する「感染防止フード」とで構成され、空気中の飛沫感染防止に寄与します。更に、フィルター交換時の感染防止のため、原子力施設の作業で最重要視される「被ばく低減」技術を応用して、非接触でフィルター交換を行う技術を搭載しています。



2.開発製品概要

(1)可搬式抗菌フィルターユニット(ダクト接続型)(写真1)
本装置は低騒音ファン、プレフィルター、抗菌HEPAフィルター及び操作盤より構成される小型のフィルターユニットであり、本体にはキャスターが設置されて、移動が容易です。
抗菌HEPAフィルターとはガラス繊維濾材に溶菌酵素を添着したものであり、ウイルスの不活化、細菌類に対する滅菌効果があります。本装置の主な特徴は以下の通りです。

1)電源は単相100V
2)風量は0~8m³/min(インバータ制御)
3)ユニットの運転時の騒音は、1m離れた所で約47dB(A)
4)抗菌HEPAフィルターの捕集性能は0.3μmの粒子に対して、99.99%以上
5)プレフィルターと抗菌HEPAフィルターは一体型で交換時はバックアウト方式採用*

*バックアウト方式・・フィルター交換時に捕集されたウイルス、細菌の飛散による作業者への感染を防止するために、予めセットされた専用のビニルバッグを用い、このバッグに設けられた手袋を通して対象のフィルター交換作業をする事で、非接触な隔離状態における交換・廃棄が可能となる方式です。

(2)自立型感染防止フード(ダクト接続型)(写真2)
本装置は患者の頭部を覆い排気を担うフードと、取付台座及び移動式架台より構成されます。主な特徴は以下の通りです。

1)感染防止フード吸込み風量は4m³/min
2)取付台座背面にある操作ハンドルにより、フードの高さ変更が可能
3)フード部単体は上部に折りたたみが可能であり、また取り外しも可能


写真1 可搬式抗菌フィルターユニット


写真2 自立型感染防止フード



3.感染症患者診察時の飛沫感染防止システム概要(図1)

患者の頭部を覆う「自立型感染防止フード」と「可搬式抗菌フィルターユニット」をダクトで接続し、フードから排気することにより、患者からの飛沫による医師、看護師の感染リスクを低減します。更に、飛沫が含まれたフードからの汚染された空気は抗菌HEPAフィルターを組み込んだ可搬式抗菌フィルターユニットにより、確実にろ過され、ろ過された空気は室外に排気することで、患者のいる室内は陰圧に保たれ、周囲の部屋への空気の漏洩が防止できます。また、ろ過された空気を室内に清浄空気として循環することで、空気清浄機としても利用が可能です。
「自立型感染防止フード」は患者が椅子に座った場合とベッドに横たわった場合の両方に適用可能であり、今回開発した小型の「可搬式抗菌フィルターユニット」1台で2台の「自立型感染防止フード」の使用が可能です。なお、「可搬式抗菌フィルターユニット」の大風量化は可能であり、フィルターユニット1台で3~4台の「自立型感染防止フード」にダクト接続することもできます。ご要望に応じたシステム構成の提案を致します。
また、診療所、病院に限らず他の施設においても「可搬式抗菌フィルターユニット」単独で空気清浄機として使うことも可能です。


図1 感染症患者診察時の飛沫感染防止システム概要



4.今後の予定

本システムは、各機器の設置場所およびダクトルートなどについて現場調査を行い、ご要望に即した詳細な提案をさせていただきます。また、既に納入が決定しており、現在詳細の調整と各機器の製作にかかっており、本年中の納入となります。尚、機器の製作には約2ヶ月を要します。
今後は「可搬式抗菌フィルターユニット(ダクト接続型)」については大風量型の開発・設計を進めていきます。大風量型のフィルターユニットは空気中のウイルス・細菌を抗菌HEPAフィルターで確実に捕集した後、清浄空気を室内に供給します。これにより、室内の換気を促進し、飛沫感染、空気感染リスクの低減を図ることができます。適用箇所としては以下を想定しています。
(1)中大型建物などの、中央制御式空調方式の還気ダクト内の循環空気に適用(図2)。
(2)避難所等の比較的大空間の室内空気の浄化。


図2 中央制御空調方式換気ダクトの循環空気のウイルス・細菌除去


新日本空調グループのSDGsへの貢献について



新日本空調グループは、企業が中長期的に持続的成長を目指す上で重視すべき3つの側面、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)を視野に入れたESG経営を実行しています。当社グループの事業特性を踏まえた上で、ESG経営の観点から、あらゆる事業活動における課題を特定し、中長期的取組み目標を定め、SDGsに代表される国際的社会課題の解決に資する事業活動を推進します。
本リリースの取り組みは、SDGsにおける3つの目標に貢献しています。



目標   3:すべての人に健康と福祉を
目標   9:産業と技術改革の基盤をつくろう
目標 12:つくる責任 つかう責任

  



【お問合せ先】
新日本空調株式会社 経営企画本部 ESG経営戦略室
コーポレートコミュニケーション課 星野 昌亮
Tel   :03-3639-2332
Fax  :03-3639-2731
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新日本空調株式会社 原子力事業部 営業部 企画開発課 藤芳 正司
                         須磨 恵太郎
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Fax  :03-3639-2239
Mail :fujiyoshim@snk.co.jp
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