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PRESS RELEASE

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2022年09月14日

クラウド活用による解析能力の高性能化に対応

~ CFD計算環境にRescale(リスケール)プラットフォームを導入 ~

 新日本空調株式会社(代表取締役社長 前川伸二)は、技術開発研究所における解析能力の増強と解析時間の短縮を図るため、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(本社:東京都港区)よりHPC注1クラウドサービスRescaleプラットフォーム*(以下、Rescale)を導入し、お客様向けの空調設計コンサルティングサービスを強化いたしました。

 当社技術開発研究所では、空調エンジニアリングの一環として、流体の運動をコンピュータにより解析して観察・計測する手法であるCFD注2シミュレーション技術を利用した、空調設計コンサルティングサービスを従来から行ってきました。近年、冷暖房システムの快適性向上や換気による感染防止対策等の室内環境の高品質化に加え、省エネルギーやカーボンニュートラル等の地球環境保全意識の高まりから空調運用の高効率化に対する要望レベルが上がっています。また、BIM注3を用いた設計手法では、初期工程において後工程に生じそうな仕様の変更等を事前に集中的に検討することが求められることから、初期段階でのCFD利用の機会が増え、より短期間での検討が必須となっています。このような状況に迅速かつ柔軟に対応するため、より高速で大規模な計算能力が必要となってきました。

そこで、Rescaleを今春から導入することにより、計算資源に限りがあった従来の自社運用の解析環境を一新してクラウド化し、ハードウェア(並列コンピュータ等)だけでなくソフトウェア(CFD等の各種シミュレーションツール)を必要に応じて制限なく利用することを可能としました。

◆Rescaleを利用した解析時間の短縮事例
 当社で重点課題として取り組んでいるデータセンター空調の研究開発の一環として、サーバー室内の温熱環境をCFDシミュレーションによって高精度に解析する技術の開発を進めています。高精度な解析を行うために計算負荷が大きくなるシミュレーションにおいて、Rescaleを利用することによって、解析時間の大幅な短縮が可能となり、研究開発をより効率的に行うことができます。




 床面積56㎡、サーバーラック16台、IT機器発熱量192kWのサーバー室において、1分間の空調停止による急激な温度上昇及び空調復旧後の温度回復を想定したシミュレーションをSTREAM**(熱流体シミュレーションソフトウェア)を用いて行いました。空間メッシュを約540万要素、時間間隔を0.008秒として計算を行った結果、計算に要した時間が自社運用の計算機(Intel Xeon Gold 6246×8並列)では25日、Rescale(AMD EPYC 7742×44並列)では4日となり、76%の時間短縮となりました。




 床面積544㎡、サーバーラック300台、IT機器発熱量3,600kWのサーバー室において、サーバー廻りのモデル精密化のために約1億5千万要素の高精細大規模メッシュで空間分割し、STREAMを用いて温熱環境解析を行いました。乱流場の計算に要した時間(反復回数150回)が自社の計算機(Intel Xeon Gold 6130×8並列)で16.0時間、Rescale(Intel Xeon Platinum 8151×336並列)では1.2時間となり、92.5%の大幅な時間短縮となりました。

当社技術開発研究所では、HPCクラウドサービスを積極的に活用することによって、大規模解析や非定常解析、連成解析等の高度なシミュレーション技術を用いたコンサルティングサービスを強化推進してまいります。


注1 HPC:High Performance Computing,高性能計算
注2 CFD:Computational Fluid Dynamics 数値流体力学
注3 BIM:Building Information Modeling, 建築物情報モデリング手法
*  Rescaleプラットフォーム:https://www.ctc-g.co.jp/solutions/rescale/
** STREAM:https://www.cradle.co.jp/product/stream.html

 



新日本空調グループのSDGsへの貢献について

 

新日本空調グループは、企業が中長期的に持続的成長を目指す上で重視すべき3つの側面、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)を視野に入れたESG経営を実行しています。当社グループの事業特性を踏まえた上で、ESG経営の観点から、あらゆる事業活動における課題を特定し、中長期的取組み目標を定め、SDGsに代表される国際的社会課題の解決に資する事業活動を推進します。
本リリースの取り組みは、SDGsにおける目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献しています。

目標  9:産業と技術革新の基盤をつくろう

   






【お問合せ先】
新日本空調株式会社 経営企画室 企画部
コーポレートコミュニケーション課 多田 邦彦
Tel   :03-3639-2475
Fax  :03-3639-2731
Mail :tadak@snk.co.jp


新日本空調株式会社
技術開発研究所 中村 元
Tel   :0266-73-9611
Fax  :0266-73-9615
Mail :nakamurag@snk.co.jp


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