研究開発/保有技術

臭気評価技術

近年臭気の問題は、従来の畜産農業・産業型だけではなく、都市生活・民生型へ拡大しており、空調分野においても、居住域での快適性に対する苦情やシックビル症候群発症の原因の一つに挙げられる事が増えてきています。また、苦情の増加に伴い、対象となる臭気の種類が拡大するにつれ、臭気を構成している成分の低濃度化や複合化も進んでおり、評価、対策を行う際には、その変化に対応した適正な技術の選択が求められています。
当社においてもにおいの測定/評価法の導入を進めており、以下に導入済みの、においセンサー法、3点比較式におい袋法(嗅覚測定法)、および微量ケミカル分析の項で紹介している加熱脱着-ガスクロマトグラフ-質量分析計(TD-GC-MS)の応用例を示します。

においセンサー法

人間の嗅覚と同じような特性を持つように研究開発されたセンサーを用いて臭気を計測する方法です。種々のセンサーが研究されていますが、臭気測定において主流となっているのは金属酸化物半導体センサーです。半導体表面におけるにおい分子の吸着と表面反応によって半導体の抵抗値が変わることを利用したセンサーで、大気中に含まれる成分の濃度に対応して電気抵抗が変化するので、それを電圧に変換し、成分濃度を電気的に検出します。

3点比較式におい袋法(嗅覚測定法)

人間の嗅覚を用いて臭気の強さを求める方法で、6段階臭気強度表示法や9段階快・不快度表示法、三点比較式におい袋法など様々な測定手法がありますが、悪臭防止法における公定法は三点比較式におい袋法のみです。図.1に測定フローを示します。臭気を含む排出気体や環境空気を真空瓶やポンプ、バッグ等を用いて採取し、試験室に持ち帰ります。持ち帰った試料を、3Lの臭袋(ポリエステル製バッグ、図2)の中で、活性炭槽を通した無臭空気により一定の希釈倍数に希釈します(図2)。試料を希釈したものを1袋、無臭空気のみ充填したものを2袋用意し、嗅覚試験者(パネル)が3袋の中から希釈された試料のにおいを嗅ぎ当てられなくなるまで、希釈倍数を増加させます。尚、パネルはT&Tオルファクトメータを使用した嗅覚検査に合格した人とし、6人以上で実施します。最後に当てた希釈倍数の対数値と、間違えた同対数値の平均を各パネルの閾値とし、上下2名のパネルをカットした残りのパネルの平均値を10倍したものを臭気指数として算出します。本法での希釈倍数を臭気濃度と言い、臭気指数との関係は次式で表されます。 臭気指数 = 10×log(臭気濃度) 例えば、100倍に希釈した時に、においが感じられなくなった場合、臭気濃度100、その臭気指数は20となります。

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加熱脱着-ガスクロマトグラフ-質量分析計(TD-GC-MS)の応用例

対象空気を吸着剤TENAX-GRによる固体吸着法で捕集し、加熱脱着-ガスクロマトグラフ質量分析計(TD-GC-MS)にて揮発性有機化合物(VOC)の分析を行います。 クロマトチャートの結果に顕著な違いは見られませんが、臭気有の結果から臭気無の結果を差し引くことで(差クロマトグラム)、臭気原因成分の推定が可能となります。

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