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TCFD気候関連への対応

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気候変動への取り組み(TCFD提言に基づく気候関連の情報開示)

当社グループは、気候変動を経営上の重要課題の一つと捉え、気候関連のリスクおよび機会について、事業活動への影響を識別・評価し、対応策の検討および進捗管理を行っています。これらの取り組みについて、TCFD提言に基づき、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の観点から開示しています。

参考:環境省「サステナビリティ(気候・自然関連)情報開示を活用した経営戦略立案のススメ ~TCFDシナリオ分析と自然関連のリスク・機会を経営に織り込むための分析実践ガイド Ver2.0~」2025年3月

ガバナンス

当社グループは、サステナビリティ共通のガバナンス体制のもと、気候関連課題について、取締役会、サステナビリティ委員会、経営会議およびサステナビリティ推進委員会において、審議・監督・推進を行っています。
気候変動リスクおよび機会については、サステナビリティ推進委員会が、国や地方公共団体、業界団体等の国内外の動向・要請を踏まえて情報を収集し、リスクおよび機会の特定、影響評価ならびに対応策の検討を行っています。これらの内容はサステナビリティ委員会に報告され、同委員会における審議を経て、取締役会が気候変動を含む環境課題に関する目標、活動方針および進捗状況を監督しています。



戦略

当社グループは、持続可能な地球環境の実現に向け、気候変動に対する緩和および適応ならびに環境への負の影響の最小化を経営上の重要事項と位置付け、脱炭素社会の実現に向けた活動を推進しています。
当社グループを取り巻く気候関連リスクおよび機会を洗い出し、事業活動への影響を分析したうえで、重要なテーマを選定しています。影響度の分析にあたっては、当社グループが取得したSBT認定と整合する考え方のもと、テーマごとに事業活動への影響を整理し、対応を検討しています。
現在は、サステナビリティ委員会およびサステナビリティ推進委員会を中心に、気候関連リスクおよび機会の見直しと対応策の具体化を継続的に進めています。

 

シナリオ分析の考え方

リスクと機会の検討にあたっては、脱炭素社会への移行が進むシナリオと、気象災害の激甚化等の物理的影響が高まるシナリオを想定し、当社グループの事業活動に与える影響を確認しています。
移行リスクについては、省エネルギー基準の強化、炭素価格、顧客の脱炭素要請、環境対応技術の進展等を主な要素として確認し、物理的リスクについては、平均気温の上昇、豪雨・台風等の激甚化による施工現場、サプライチェーンおよび納入設備への影響を確認しています。
今後は、外部シナリオや公表データを活用し、重要性の高いリスクおよび機会について、事業への影響を確認し、対応策の具体化を段階的に進めていきます。

 

※シナリオは、気候関連リスクおよび機会を検討するための前提であり、将来予測を示すものではありません。

 

 

新日本空調グループの気候関連の主なリスクと機会

1.想定される気候関連のリスク

区分 分類 主な影響 想定時期 想定される影響 主な対応
移行リスク 政策・法規制 建築物の省エネルギー基準の見直しや脱炭素政策の進展により、ZEBの推進や省エネルギー性能の高い建築物・設備への要求が高まる。対応が遅れた場合、受注機会が減少する可能性がある。 中期~長期 建設コストの上昇、受注機会の減少 省エネルギーに資する新技術の開発、熱源最適制御システムの高度化、再生可能エネルギー導入や省エネルギー提案の推進
テクノロジー 顧客が求める環境対応技術、省力化技術、デジタル技術の水準が高まり、対応が遅れた場合には受注機会が減少する。新技術の開発・実装に向けた投資負担が増加する可能性がある。 短期~中期 研究開発費・投資負担の増加、競争力への影響 省エネルギー、施工省力化、現場デジタル化に資する技術開発、新型天井裏調査ロボット「VoOE LS」や熱源最適制御システム等の高度化
市場 顧客の脱炭素要求が高まり、GHG削減効果を示せる設備・サービスの保有が発注先選定においてより重視される。対応が遅れた場合、競争力が低下する可能性がある。 短期~長期 受注競争力への影響、提案機会の変化 GHG排出量の把握、再生可能エネルギー導入促進、お客様設備への省エネルギー提案、環境対策技術の開発・提案
評判 気候関連情報の開示基準や外部評価への対応要請が高まり、情報開示の充実度や気候変動対応の実効性が企業評価に影響する。 短期~中期 企業評価、人材獲得、取引先・投資家評価への影響 SBT認定の取得、CDP対応、気候関連情報開示の高度化、サプライチェーン全体でのGHG排出量削減
物理的リスク 慢性的 夏期の平均気温上昇により建設現場での労働環境が悪化し、熱中症発症リスクや不安全行動リスクの増加、作業効率の悪化につながる。 中期~長期 労働安全、作業効率、工期への影響 屋外・倉庫・工場向けの暑熱対策技術の開発、施工現場における労働環境改善、安全対策の強化
急性的 台風・豪雨等により、サプライチェーンの寸断や工事遅延が発生する。また、納入設備の不具合や被災対応が求められる。 短期~長期 工事遅延、復旧対応コスト、供給制約への影響 物流・加工ネットワークシステム「SNK-SOLNet®」の全国展開、倉庫物流管理システムの開発、減災・レジリエンス分野および火山灰対策技術等の高度化

※想定時期は、短期を概ね1~3年、中期を概ね3~5年、長期を概ね5年以上とする目安です。実際の発現時期は、外部環境や事業活動の状況により変動する可能性があります。

2.想定される気候関連の機会

区分 分類 主な影響 想定時期 想定される影響 主な対応
機会 資源効率 脱炭素化の進展により、製品・サービスの調達・物流段階におけるCO₂排出削減の必要性が高まる。 短期~中期 物流・加工効率の向上、現場業務の省力化 物流・加工ネットワークシステム「SNK-SOLNet®」の全国展開、既存倉庫の拡大、SNK-SOLNet版WMSの開発
エネルギー源 再生可能エネルギーや未利用熱の活用に関する技術ニーズが高まり、建築設備分野での新たな技術提案や事業化機会が拡大する。 中期~長期 新たな技術提案、事業化機会の拡大 廃熱利用に関するWG活動、熱発電モジュール活用に関する情報交換、未利用エネルギーの活用可能性の検討
製品とサービス 建築物の省エネルギー基準の見直しにより、ZEB、省エネルギー性能の高いシステム、高効率機器への需要が高まる。 短期~長期 受注機会の拡大 機器メーカーや他業種との連携、省エネルギー性能の高い新技術の開発、熱源最適制御システムの性能向上
ゲリラ豪雨などの異常気象の増加を受け、BCPの観点から建築物に対する水害対策設備の導入要望や早期復旧需要が高まる。 短期~長期 防災・減災関連需要の拡大、復旧支援機会の増加 浸水被害を防ぐ保有技術の提案、顧客のBCP対策への対応、被災時の迅速な初動対応および復旧支援体制の整備
市場 再生可能エネルギー比率の高まりにより、エネルギーの安定供給確保や脱炭素化に資する技術・サービスへの需要が高まる。 中期~長期 脱炭素・レジリエンス提案機会の拡大 省エネルギー、カーボンニュートラル、レジリエンス技術を組み合わせた提案、再生可能エネルギー導入促進
レジリエンス 気候変動の激化に伴い、災害時を含む過酷な環境に対応するレジリエンス技術への需要が拡大する。 中期~長期 新領域への技術展開、事業機会の拡大 宇宙戦略基金事業への参画、生命維持装置・環境制御システム関連技術の開発、宇宙や地球上の過酷環境への応用

上記の気候関連リスクおよび機会への対応状況については、温室効果ガス排出量、再生可能エネルギー導入率、お客様設備のGHG削減提案量等の指標により管理しています。

リスク管理

当社グループでは、気候変動リスクを含む事業運営上のリスクを的確に把握・対応し、経営の健全性を確保することが重要であるとの認識のもと、リスクの防止および会社が被る損失の最小化を図ることを目的として、グループ全体のリスク管理に関する必要な事項を「リスク管理規程」に定めています。
気候関連リスクについては、サステナビリティ推進委員会において、外部動向、事業への影響および対応状況を踏まえて特定・評価し、事業運営上のリスクとして整理しています。これらのリスクは、リスク管理委員会において、他の事業リスクとあわせて確認し、必要に応じて回避、低減および管理強化に向けた対応を検討しています。重要な事項については、経営会議または取締役会へ報告し、全社的なリスク管理の枠組みの中で対応を進めています。

指標と目標

当社グループは、気候関連リスクおよび機会を評価・管理するため、温室効果ガス排出量、再生可能エネルギー導入率、お客様設備のGHG削減提案量等を主要な指標として設定し、進捗管理を行っています。
温室効果ガス排出量については、2025年7月にSBTiより科学的根拠に基づく短期目標としてSBT(※)認定を取得しており、2030年の目標達成に向け、再生可能エネルギーの導入促進や省エネルギーに資する設計・施工提案を進めています。
(※) SBT(Science Based Targets)とは、パリ協定が求める水準と整合した、科学的根拠に基づく温室効果ガス排出削減目標です。

温室効果ガス排出量削減目標と実績

2026年6月30日現在

   
対象Scope 基準年排出量
t-CO2e
排出量実績
(基準年比)
t-CO2e
目標年排出量
(基準年比)
t-CO2e
2021年度 2025年度 2030年
Scope1 1,568 1,002
(▲36.1%)
Scope2 1,167 135
(▲88.4%)
Scope1+Scope2 2,735 1,137
(▲58.4%)
1,070
(▲60.8%)
Scope3 865,405 790,704
(▲8.6%)
649,000
(▲25.0%)

SBT認定上の2030年は、当社における2030年3月期に相当し、2029年度目標に対応しています。
Scope1およびScope2については、Scope1+Scope2の合計排出量に対する削減目標を設定しています。

Scope3カテゴリ別排出量

   
Scope3カテゴリ 排出量 t-CO2e
カテゴリ1:現場施工 176,560
カテゴリ2:自社設備 3,914
カテゴリ3:電気・燃料 397
カテゴリ4:輸送 770
カテゴリ5:廃棄物 2,067
カテゴリ6:出張 374
カテゴリ7:通勤 458
カテゴリ11:設備運用 606,164

Scope3排出量のうち、カテゴリ11「設備運用」が大きな割合を占めているため、当社グループでは、お客様設備の省エネルギー提案、高効率設備・制御システムの導入提案を重点的に進めています。