現状認識
資本政策および政策保有株式に関する方針
当社グループは、中期経営計画「SNK Vision2030 PhaseIⅢ」において、資本コストを上回る収益性の確保と持続的な企業価値の向上を重要な経営課題と位置づけ、資本効率を意識した経営を一層推進してまいります。成長投資、財務健全性、株主還元の最適なバランスを図りながら、限られた経営資源をより収益性・成長性の高い領域へ重点的に配分し、中長期的な価値創造の実現を目指します。
成長投資については、PhaseⅢ期間である2026年度から2029年度において、将来の収益基盤の拡大や競争優位性の確立につながる分野を中心に、300億円規模の投資を計画的に実行してまいります。具体的には、既存事業の収益力強化、社会課題の解決に資するソリューションの拡充、デジタル・GX領域への対応、新たな成長分野への事業展開などに重点配分します。投資判断にあたっては、資本コストや投資効果を十分に踏まえ、ROEの持続的な向上につながる資本配分を徹底してまいります。
また、財務健全性を維持しつつ、環境変化への耐性と将来の成長余力を確保してまいります。政策保有株式については、事業上の合理性や資本効率の観点から保有意義を継続的に検証し、PhaseⅢ期間中も縮減を進めます。2029年度末までに、政策保有株式の連結純資産に対する比率を20%未満とすることを目指し、創出した資本を成長投資や株主還元に有効活用することで、資本効率の改善と企業価値の向上につなげてまいります。

※通期連結業績の推移
株主資本コストとROEについて

当社は、株主資本コストをCAPM理論に基づき算定するとともに、投資家の皆様との継続的な対話を通じて、当社に求められる資本コストの把握に努めております。今後も、資本コストを意識した経営を徹底し、自己資本当期純利益率(ROE)の高水準維持・向上を目指してまいります。
具体的な方策
ROEの維持・向上に向けた資本構成
自己資本当期純利益率(ROE)は、当期純利益/自己資本で計算されます。ROEの構成要素である当期純利益率、総資産回転率、財務レバレッジのバランスを考慮する必要があり、持続的な事業拡大と利益の成長を図りつつ、財務健全性も考慮し、自己資本比率を一定の水準で維持していくこととし、その目標範囲を50~60%とします。
株主還元
株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題と位置付け、安定的かつ継続的な還元を基本方針とし、業績動向や成長投資とのバランスを勘案しながら実施してまいります。
株主資本配当率(DOE)5%を下限とする方針を維持するとともに、2029年度までは累進配当を実施し、利益成長に応じた還元水準の持続的な向上を目指します。
また、株主・投資家の皆様との建設的な対話を通じて、当社グループの成長戦略、資本政策および株主還元方針への理解を深めていただき、市場からの信頼性向上に努めてまいります。
当社グループは、以上の資本政策および株主還元方針を着実に実行することで、資本効率と成長性を両立させる経営を推進してまいります。PhaseⅢを10年ビジョンの集大成と位置付け、2030年にありたい姿の実現をより確かなものとしてまいります。
ROEの維持・向上
各種方策の徹底、利益率向上と資本政策で2029年度末までにROE18%以上を目指します。

非財務施策
成長戦略の遂行や財務施策の実行による収益性の向上と併せて、サステナビリティの推進やコーポレート・ガバナンスの強化、ステークホルダー・エンゲージメントの向上など、非財務施策の展開により、株主資本コスト低減に取り組みます。

政策保有株式の削減

政策保有株式を2029年度末までに削減し、純資産比率20%未満を目指します。
企業価値向上に向けた取り組み

株主の皆様との価値共有を進めるとともに経営への参画意識の醸成を図るため、役員に限らず、管理職を含めた従業員への株式インセンティブ制度の導入を実施するなど、企業価値向上に向けた取り組みを継続してまいります。
成長戦略の実行

中期経営計画「SNK Vision2030 PhaseⅢ」に沿って、成長戦略に基づく事業運営を行います。また、経営数値目標については、手持ち工事量や市場動向、働き方改革による生産性の向上などを考慮しながら、見直しの検討も行ってまいります。
投資家とのエンゲージメント向上

成長戦略に関する考え方やESGへの取り組み状況等についての情報提供をこれまで以上に推進し、対話の機会を増やすことで、投資家のエンゲージメント向上を図ってまいります。投資家との対話件数は前年度比で3.5倍に増加しており、対話内容は取締役会で経営陣にフィードバックされ、今後の当社の成長に繋げてまいります。