本文へスキップします。

ページタイトル(エディタ)
ページタイトル背景画像

PRESS RELEASE

PRESS RELEASE

2017年04月17日

表面異物高感度可視化ツール「Dスコープ」を開発
~粒子の蛍光色や形状をデータ化できる可視化ツール 清浄環境の品質・衛生管理の分析の迅速化に可視化技術を応用~
 新日本空調株式会社(代表取締役社長 夏井 博史)は、表面に付着する粒子や汚れを高解像度・高感度カメラで撮影し、微小な粒子や汚れの蛍光も鮮明な画像として残し、粒子や汚れに関する形状や蛍光色に関する情報をデータ化することができる独自の可視化ツールを自社ブランド「ViEST®」の新しいラインナップに加え、「Dスコープ」として市場投入します。
 「Dスコープ」は、既に多くの販売実績を得ている表面異物識別可視化ツール「Dライト」の専用高輝度LEDライトを励起光源(蛍光を得るために照射する光源)として使用し、専用高解像度低ノイズC-MOSカラーカメラにより、観察表面に付着する粒子や汚れの蛍光成分を、独自開発した画像処理アルゴリズムを使用して鮮明に録画した画像から、粒子個数はもとより各々の粒子の寸法や形状および蛍光色に関する情報を高速で計算して、データ保存できる機能を持つカメラシステムになります。また、可搬性があるため、現場で予め決めた場所において、汚染物自身をサンプリングする必要がなく、撮影映像を見ながら画像でサンプリングできるため、より詳細な現場の状況を迅速に把握できます。そのため、モバイル端末や自動車の製造工場の歩留り管理、食品や製薬工場あるいは、病院やバイオ関連研究施設における、衛生管理のエビデンスのための分析サンプリング箇所スクリーニングなど、極めて幅広い用途で、清浄管理の効率化を図る現場向け可視化分析ツールとして用いていただけます。
 「Dスコープ」は、2017年4月19日(水)~21日(金)に東京ビックサイトで開催される「P-MEC Japan 2017(医薬品原料 機器・製造展)」への出展を皮切りに、サンプル機による営業を進め、7月の出荷を予定しています。「Dスコープ」は、既に販売中の視認ツール「Dライト」を含む、専用撮影ソフト付きカメラシステム、ならびに専用画像処理解析ソフトにより構成され、本年度20セットの販売を目指します。
1.新ラインナップ「Dスコープ」の開発に至る経緯
 新日本空調は、目には見えない微小な粒子を、高感度に可視化できる技術を自社ブランド「ViEST」として展開しております。
 微粒子可視化技術では、微小な粒子に強い光を届けることが必要条件となり、レーザ光を使用した光源を、専用超高感度カメラや画像処理パッケージなどと併せて開発を続けてまいりました。これにより、インフルエンザウイルスに匹敵するサイズ0.1µmの空間に浮遊する微粒子を可視化できるオンリーワンの性能を持つ、超高感度可視化システムを提供してまいりました。本技術を使用した専門技術スタッフの受託現場評価業務など、様々なものづくり現場での豊富な実績を通して把握した顧客ニーズを元に、現場の特性にあった可視化技術の最適化に向けた研究開発を進め、ファイバ式光源「パラレルアイ Type-F」や、表面の付着粒子を視認しやすくする日常管理向け可視化ツール「Dライト」など、独自技術でこれまでにない特長を持つ商品の展開を続けております。
 エレクトロニクス、自動車、医薬品、食品など様々な清浄環境を必要とする分野では、歩留まり改善や品質管理など目的は異なりますが、表面に付着する粒子や飛散した汚れのクリーン化の状況の日常管理が重要です。そのため、環境の代表点で取得した汚染サンプルの表面を顕微鏡などの分析装置で解析し、原因物質の特定を行うことが一般的です。しかし、場合によっては分析の前処理に長時間を要し、現場を見ながらサンプリング箇所を選択できないため、的確なサンプリングポイントを探すことも経験と時間が必要になるため、労力の効率化や迅速性が課題となることがあります。
 今回開発した「Dスコープ」は、日常管理の手軽さを重視した視認可視化ツールである「Dライト」の技術を画像処理に応用し、高解像度で低ノイズのC-MOSセンサーを使用した専用カメラを搭載した本体を用い、蛍光強度の強弱のダイナミックレンジが極めて広い高感度撮影を実現しました。また併せて、取得した蛍光画像の色特性から形状や蛍光色などのデータを高速に抽出するポスト処理用画像処理ソフトを開発しました。これら、専用ライトとカメラ撮影システムと画像処理ソフトをパッケージにした表面異物高感度画像処理ツール「Dスコープ」を、新たに市場に投入いたします。
この新ラインナップの投入により、現場の清浄度管理の効率化や迅速化に、また、既に「Dライト」をお使いの方の応用範囲拡大に、お役立ていただけるものと考えます。
2.新ラインナップ「Dスコープ」の概要
1)機器の構成
 「Dスコープ」は、励起用の専用光源として「Dライト」(視認用専用ゴーグルとバッテリが含まれます)が附属し、「Dライト」の専用LED光源と、専用高感度カメラを固定する筐体とACアダプタおよび軽量パソコンで動作する高感度撮影ソフト、撮影画像の後処理ソフトで構成されます(写真1)。
2)性能・特徴について
 「Dスコープ」は、既に市場で実績のある視認ツールである「Dライト」の専用ゴーグルで目視する代わりに、専用カメラを使用します。表面に「Dライト」の励起光を当てると、表面の反射光や汚染物よる散乱光の他に、付着する汚染物の成分由来する蛍光(成分に反応して発する光)が見られますが、専用カメラのレンズは、励起光と同じ色の光をカットするため、蛍光色だけが鮮明に撮影されます(図1)。
 「Dスコープ」の特長は、  
  可搬性があるため、現場へ持ち込んで分析することができ、また、汚染物自身をサンプリングする必要がなく、カメラ映像を見ながら画像としてサンプリングできるため、より詳細な現場の状況を、効率的かつ迅速に把握できます(写真2)。
  撮影した写真を、専用後処理ソフトで蛍光色や形状の解析が可能となりますので、現場から汚染の可能性のあるサンプル自身を持ち出す必要がありません。
  通常、蛍光画像を撮影する場合、カメラのダイナミックレンジ(輝度の解像度)の制限のために、強い蛍光に画像を最適化すると微弱な蛍光を捕らえられなくなり、逆に微弱な蛍光を捕らえようとすると、強い蛍光の輝度が飽和して色情報が得られなくなります。「Dスコープ」では、独自の画像処理アルゴリズムにより、同一の画像の中に、微弱な蛍光から強い蛍光までを色情報を損なうことなく鮮明に録画することができます(写真3)。
  高解像度、高感度、低ノイズのC-MOSセンサーカメラと専用レンズを使用し、専用後処理ソフトにより、色情報だけでなく、オプションカメラレンズによりサイズ約20µm以上の汚染物の形状情報をデータ化することができます(図2)。
 また、「Dスコープ」には、専用の励起光源として表面異物識別ツール「Dライト」が附属しますので、「Dライト」単体で視認ツールとしてご利用いただき、まずは汚染物が集まる箇所を視認で確認いただくことも可能です。既に「Dライト」をお持ちのお客様には、機能拡張部分のみをご提案いたします。
3)販売価格
 展示会を皮切りにサンプル機による営業を始め、7月の出荷を予定しています。「Dスコープ」は、既に販売中の視認ツール「Dライト」を含む、専用撮影ソフト付きカメラシステム、ならびに、専用画像処理解析ソフトにより構成され、専用光源として「Dライト」を含む標準構成で価格は税抜128 万円(パソコンは含みません)を予定し、本年度は20セットの販売を目指します。
3.展示会への出展予定
 「Dスコープ」は、2017年4月19日(水)~4月21 日(金)に東京ビックサイトで開催される「P-MEC Japan 2017(医薬品原料 機器・装置展)」展示ブース(東1ホールブース番号:X-23)において初公開を予定しております。
4.今後の展開
 今後も、他には無い高感度な可視化技術ブランド「ViEST」の応用範囲や市場の拡大に資する技術開発の継続により、お客様の多様なニーズへの適合性をさらに進化させてまいります。
5.本件に関する問い合わせ先
新日本空調株式会社 経営企画本部 企画部 広報課 星野 昌亮
TEL:03-3639-2332(ダイヤルイン)
FAX:03-3639-2734
E-mail: HOSHINOM@snk.co.jp

新日本空調株式会社 ビジュアルソリューション事業部 岡本 隆太
TEL:03-3639-2206
FAX:03-3639-2377
E-mail: OKAMOTOR@snk.co.jp
 

写真1 「Dスコープ」の基本構成(パソコンは含まれません)
 

図1 「Dスコープ」の原理
 

【平面設置の場合】

【手持ちの場合】

【三脚固定した場合】
写真2 「Dスコープ」での撮影の実際
 

【一般撮影】*微弱な蛍光は捕らえられない

【一般の高感度撮影】*微弱な蛍光が捉えられていますが、強い蛍光色は白色に飽和する

【「Dスコープ」の高感度撮影】*すべての異物の蛍光色が鮮明に捕らえられる
写真3 高感度撮影
 

【異物情報の抽出】

【繊維状と思われる異物を自動でマスク(範囲抽出)】
図2 後処理ソフト代表的な機能