本文へスキップします。

ページタイトル(エディタ)
ページタイトル背景画像

PRESS RELEASE

PRESS RELEASE

2023年12月22日

データセンター向け高発熱サーバーの排気気流対策製品「フローシールド🄬」を開発

~サーバールームの温熱環境の維持と省エネルギー運用に寄与~

 新日本空調株式会社(代表取締役社長:前川 伸二)は、データセンターにおける高発熱サーバーの排気気流対策製品として「フローシールド」を開発しました(特許出願中)。本製品は、サーバールームのホットアイル(サーバーの排熱空間)に設置することで、高発熱サーバーへの給気風量を確保しつつ、同サーバーの高温排気を原因とする局所的な温度上昇を解消し、サーバールームの温熱環境の維持と省エネルギー運用を図ることができます。 当社は、「フローシールド」の普及展開を含め、サーバールームにおけるソリューションの提供や新技術の開発を通じて、今後もデータセンターの更なる発展に貢献してまいります。

 1.「フローシールド」の開発経緯と特長
  近年、クラウド化やAI技術の普及を支えるサーバー機の処理能力は急速に高速化しており、発熱量、排気風量も増加しています。高発熱サーバーの普及に伴いサーバーラックの高負荷化・高密度化も進んでおり、生成AI向けGPUサーバーが搭載されるケースでは1ラックあたり20~30kW程度の高負荷ラックが計画されることもあります。
  高負荷ラックが低負荷ラックの対面に設置された場合、高発熱サーバーの高温排気が原因となる局所的な温度上昇や隣接する低発熱サーバーの排気が阻害される事象を、当社のDC-Lab(データセンター実証施設)にて確認しました。さらに、ラック背面に誘導板を取り付ける対策方法では、 高発熱サーバーの排気気流への抵抗が大きくなり、同サーバーへの給気風量が低下するため、十分な効果が得られませんでした。 そこで当社は、高発熱サーバーへの給気風量の確保と高温排気を原因とする局所的な温度上昇の解消、という2つの課題を、サーバールームのホットアイルに設置するだけで同時に解決する手法及びその製品として、独自の曲面を有する気流調整板により構成される「フローシールド」を開発しました。
  フローシールドは、幅500mm、高さ2000mmの衝立状の機構で、アルミニウム製のフレームと、耐熱PVCシートまたはステンレス製多孔板により構成され、動力源は一切不要です(図1)。容易に移動ができるため、高負荷ラックの配置変更やサーバーの入れ替えなどのメンテナンスの作業性を損ないません 。


図1 フローシールド外観
(ステンレス多孔板)

 
2.「フローシールド」の導入効果
  フローシールドの設置による効果について、以下に一例を示します。図2のように低負荷ラックと高負荷ラックが混在する場合、風量と静圧が大きい高発熱サーバーの排気により、周辺の低発熱サーバーの排気が阻害されることに加え、排気の一部がコールドアイル(サーバー冷却給気空間)に漏洩して局所的な温度上昇が発生します(図3左)。この温度上昇は、サーバールーム用空調機の給気風量を増加させることで解消できる反面、運用エネルギーが大幅に増加します。そこで高負荷ラックの排気側にフローシールドを設置すると、対面する低負荷ラックへの排気気流の到達が抑止され、コールドアイルの温度上昇が抑制されます(図3右)。高負荷ラックから離した適切な設置位置により、高負荷ラックへの給気風量の低下も生じません。サーバールーム用空調機の風量を増加させずに運用エネルギーの上昇を抑えることができます(図2の条件においては、フローシールドを設置することで、対策なしの条件に比べて給気風量を最大40%低減できます)。



図2 フローシールドの導入効果が見込めるサーバーラックの配置例(左:立面図、右:平面図)




図3 図2の条件におけるCFD解析結果(サーバールーム温度分布)
(左:対策なし、右:フローシールド設置)

 

 3.本製品の製造・販売
 フローシールドの販売は、光和商事株式会社(辰野営業所 担当:丹 司(たん つかさ)、TEL:0266-41-4800、住所:長野県上伊那郡、本社:東京都港区)が行います。本製品は、オープン価格、受注生産となります。本製品に関する技術的内容等のご相談は、当社までお問い合わせください。
 当社は、フローシールドの普及展開を含め、サーバールームにおけるソリューションの提供や新技術の開発を通じて、今後もデータセンターの更なる発展に貢献してまいります。

新日本空調グループのSDGsへの貢献について
https://www.snk.co.jp/csr/

 新日本空調グループは、企業が中長期的に持続的成長を目指す上で重視すべき3つの側面、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)を視野に入れたESG経営を実行しています。当社グループの事業特性を踏まえた上で、ESG経営の観点から、あらゆる事業活動における課題を特定し、中長期的取組み目標を定め、SDGsに代表される国際的社会課題の解決に資する事業活動を推進します。
本リリースの取り組みは、SDGsにおける3つの目標に貢献しています。

目標   7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
目標   9:産業と技術革新の基盤を作ろう
目標 12:つくる責任つかう責任

     


【お問合せ先】
新日本空調株式会社 経営企画室
コーポレートコミュニケーション課 福安 麻美子
Tel   :03-3639-2701
Fax  :03-3639-2731
Mail :fukuyasum@snk.co.jp


新日本空調株式会社 
技術開発研究所 磯 佑輔
Tel   :0266-73-9611
Fax  :0266-73-9615
Mail :isoy@snk.co.jp

 


PDFダウンロード(1,696KB)