本文へスキップします。

ページタイトル(エディタ)
ページタイトル背景画像

PRESS RELEASE

PRESS RELEASE

2024年04月05日

クリーンルーム向け「室圧変動抑制扉」を開発


~ クリーンルームにおける室圧安定化 ~

 新日本空調株式会社(代表取締役社⾧ 廣島 雅則)は、扉の開閉動作におけるクリーンルームの室圧変 動を大幅に抑制する「室圧変動抑制扉」を日軽パネルシステム株式会社(代表取締役社⾧ 柳本 利夫、以 下 日軽パネルシステム)と共同で開発しました(特許出願中)。
 本扉は、扉を開閉することによって生じる急激な室圧変動の抑制および交差汚染(クロスコンタミネーシ ョン)のリスクを低減し、クリーンルームにおける室圧管理の安定化が可能です。



1.開発経緯
 半導体や薬品等の製造空間であるクリーンルームでは、製造環境の清浄度を維持するため、外部からの異 物流入や室内で発生する汚染物質が外部へ流出しないよう室間差圧を確保する制御(室圧制御)を行ってい ます。室圧が変動する主な要因は、室間に設置される扉の開閉動作です。特に製薬工場等のバイオロジカル クリーンルームでは、製品の品質確保のために交差汚染を抑制する対策が求められています。
 従来の対策は、センサなどを増設して扉の開閉動作を検知し、供給風量を増減させる方法が提案されてい ますが、扉の開閉は人力で個人差があるため、複雑な制御設定を要する問題がありました。
 そこで当社は、扉自体に室圧変動を抑える機構を持たせた「室圧変動抑制扉」を日軽パネルシステムと共 同で開発しました。

2.特徴と効果
本扉(写真1、図1)は、ハンドル部分 とドアロックが連動しているグレモンハ ンドルのロックを外すと、扉下部のパッ キンが上がり一定速度で扉が自動的に開 き、ロックするとパッキンが下がること で密閉される仕組みです。従来方式のセ ンサや制御システムを設置しなくても、 室圧逆転や急激な圧力上昇を抑制しなが ら交差汚染リスク低減化を図ることがで きます。
 また、扉の外形寸法は、日軽パネルシ ステムが取り扱う従来の三方枠タイプの片開き扉と同サイズで、開扉角度の設定も可能であり、既存扉の交 換だけで済むため省コストで導入が可能です。

 以下に、当社実験設備で行った性能試験結果を示しま す。実験設備は主室と前室の 2 室で構成され、排気ダクト 側に設置した室圧制御ダンパ(PCD)により主室の室圧を 制御します(図 2)。従来扉と本扉において、主室の設定圧 を+30Pa として、各扉を 10 秒毎に開閉したときの主室と 前室の室圧変動を図 3 に示します。(扉を開けた時を△で、 閉めた時を▲で示しています)

 従来扉では、扉を開ける時に主室と前室の室圧が逆転 し、扉を閉める時には主室の室圧が大きく上昇しています。一方、本扉では、扉を開ける時に室圧逆転が生 じず、扉を閉める時の室圧変動が抑制されています。同様に主室の設定圧を+10Pa とした場合の圧力変動 の比較を図 4 に示します。従来扉では開動作で主室の室圧が負圧になる時間帯が生じますが、本扉では正圧 で安定しています。このように、本扉を設置することで、クリーンルームの室圧管理の安定化が可能です。



3.販売について
 本扉は、日軽パネルシステムが製造し、同社が販売する内装扉「ファインドアシリーズ」にラインアップ されますが、現段階では当社への専売になります。当社以外への販売につきましては日軽パネルシステムま で直接お問い合わせください(日軽パネルシステム 開発部 商品開発グループ、担当:阪本 有佳理、井上 浩行、TEL:0749-73-3081、住所:滋賀県⾧浜市酢500)。本扉に関する技術的内容等のご相談は、当社ま でお問い合わせください。
 なお、一般販売開始日、販売価格ともに未定です。


 【お問合せ先】
新日本空調株式会社 経営企画室
コーポレートコミュニケーション課 福安 麻美子
Tel   :03-3639-2701
Fax  :03-3639-2731
Mail :fukuyasum@snk.co.jp


新日本空調株式会社
技術開発研究所 宇田川 洋一
Tel   :0266-73-9611
Fax  :0266-73-9615
Mail : udagaway@snk.co.jp


PDFダウンロード(1,545KB)