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複合用途テナントビルは、単位面積当たりのエネルギー消費量が飲食店は事務所の2倍(厨房は15倍)以上のエネルギーを消費している実態があり、例えば事務所が70%、飲食店が30%の面積割合で入居している場合、エネルギー消費割合は事務所が30%、飲食店が70%となる場合があります。これは飲食店の厨房が火気の使用状況に関わらず常に一定の風量を厨房用フードから排気していることがあるためです。 一般的に厨房機器の使用負荷率は20~30%程度に留まると言われており、使用していない時間帯も過剰かつ無駄な換気運転を行っているのが実情です。この換気運転では厨房内空気を屋外に捨て、新たに外気を温調(温度調節)して導入しなくてはならず、排気の動力エネルギーだけでなく、空調エネルギーも莫大に消費します。 既に事務所などでは、外気量を増減させる省エネ空調システムが運用されていますが、厨房でも同じような制御ができれば大幅な省エネ効果が期待できると考えたのが厨房換気最適制御システムです。
各フードの排気ダクトに取り付けた温度センサの温度計測値から火気使用状況を判断し、フード群の排気ダクトにあるVAVの風量制御を行います。この方式を採用することにより、設置するVAVの台数を最小限にすることができ、導入コストを抑えて制御システムを提供することが可能となりました。 厨房換気制御盤は既存システムに追加できる仕様となっているため、新築工事や改修工事を問わず導入することができます。
厨房換気最適制御システムを導入することで、給排気ファンの消費電力を削減できるだけでなく、外気を冷却・加熱する空調エネルギーも大幅に削減できます。 実際の店舗にて1年間にわたり行った導入検証の結果、一次エネルギーとランニングコストを年間で約30%削減することができ、厨房室内の温熱環境や空気質についても問題はありませんでした。単純投資回収年数は5年以下も可能です。